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Free Ride World Tour Europe Trip Report by Rei Igarashi

2023-06-06

写真 文 / 五十嵐黎

ドバイ経由の飛行機でスイス、チューリッヒ国際空港に降りた。

当初の予定では約30日間のヨーロッパ滞在。初戦はスイス NANDAZ。2戦目はスロバキア JASNA。3戦目はオーストリア OBERGURGL。
僕はなるべく毎日違う景色を見るためにチューリッヒにてキャンピングカーをレンタルした。このチョイスはヨーロッパ旅を倍以上に満喫させてくれた。3カ国で行われる大会だが8カ国もの景色を見た。


  

初戦が行われるスイス NANDAZに向かった。ここは4つのスキーエリアが繋がるスイス最大のスキーリゾートらしく、山頂付近から見る山々の景色は途切れることなく地平線まで繋がっていた。
初戦は予定通り開催されそうだ、そこでみた斜面は見たことがないくらいの崖とクリフ、細い沢の様なシュートの様なそして急斜面だ。一本のラインで降りてくるのはかなり難しそうだ。
僕の滑走順はスノーボード男子の一番目。選手達は反り立つ岩のリッジを坪足で登っていく。僕もそれに続くがかなり恐怖心があった。
スタートポイントは周りを一周見渡る景色の最高な場所から!


  

雪がいいことを期待して僕が選んだ板はTT165。今シーズン乗り慣れてた板でもある。
雪のコンディションは風で飛んできた雪で化粧がかかった状態のようだ。
斜面によって20センチ程のニュースノー、ハードなクラスト、氷の場所ってイメージ。僕はスタートしてしばらくのトラバースでクラストに板が刺さりこけてしまった。立て直し、狙っていた気持ちよさそうなグーフィーバンクに当て込めた。そのタイミングの良いショットも残してもらい満足するいい一本だった。

 

  


大会が終わり次の目的地はスロバキアJASNA。スイスからオーストリアを渡る大移動、約1400km。次のコンテストまでは一週間の時間があったこともあり、GENTEMSTICK DOMI さんにディーラーがあると聞き同じ谷間を東に走ったフィスプと言う街から電車に乗り換えツェルマットまで行った。ここは自家用車では行けない小さな街。中で走ってるのは10人くらいが乗れそうな小さな電気バス。駅の前にはカッコいい馬が馬車を繋ぎお客さんを待っていた。自転車での移動が主流の様だ。GENTEMSTICKのDealer Juren sportのミカさんはあまり英語を聞き取れない僕に丁寧にお話をしてくれた。この町の古くからある家屋は小人が住んでいる様な小さな家だった。また来たいと思った場所。

  
 

  



電車で街まで降りさらに東に走ったオーバーゴムスVSからレアルプまで繋がるフルカパス、ここは車ごと列車に乗って山中のトンネルを抜ける、初めての感覚はやっぱり楽しい。レアルプに到着し近くにあるリヒテンシュタインを目指した。ここは小さな一つの国、中世の城を散歩した。

次はオーストリアの北チロル地方に向かう。Gentem familyのケンゾウくんが半年ほど前から住んでいる街までだ。イェンバックから南に深い谷の間を走っていく右にも左にも沢山のスキーリゾートがありカルテンバッハでセッションをした。山の斜度は全体的に少しキツめスピードのあるロングランは最高だった。田舎の静かな街は居心地がとても良くまたすぐ戻ってくることになる。ここでスキー代表の大野ゆいちゃんもウィーンで合流、いろいろとお世話になる。

  

スロバキアに入り少し走ったニトラにあるニトラ城に寄った。かっこいい石像が並び小さな街の様な城。この辺から北に登っていく、スイスからは山や建物、人の雰囲気もずいぶん変わっていた。使っている言葉も違うみたい。

コンテストに向けてJASNAに到着した。山は雪が降っているみたい。前日にフェイスチェックをしてビブをもらった。山はガスに包まれて何も見えない、ここでの大会はアバランチコンディションで中止となった。天気の回復は見込めずここから大会の予定は変わり始める。2戦目の開催予定地はオーストリアに変更、来た道を戻ることになる。近くにあったポーランドのチェックポイントもクリアでき思い残すことはない。

2戦目はオーストリアのフィーバーブルンで開催された、フェイスチェックの日は降雪の後でメローな気持ちいいパウダーランを堪能できた。大会斜面はやっぱり急斜面だった。雪のコンディションは良さそう、僕は遅めの滑走だった。


  

2戦目の板はzephyr160を選んだ前大会よりも板はいいフィーリングだった。最初の出だしはよかった。ライダーズライトの沢に入って行った。ここは人気のラインだったみたいで前走者のラインでギタギタ、なんとか沢を抜けラインを避けた、どうやら行きたいラインを外れてしまって下にはなんとか飛び越えれそうな岩が出てきた。引き返せないと思い飛んだがこけてしまった。一度こけると点数はつかない。

その後は日本人スノーボードチームでケンゾウくんのいる街へ戻った。目的はヒンタートゥークス。この辺りでは一番標高の高い場所、氷河もあるみたい。マウンテンゴートは見つけられなかった。

数日たち最終戦もコンディション不良でキャンセルのメールが入った。代替えの大会はまたスイスで行われる。ここからはケンゾウくんも一緒に旅に出ることになった。インスブルックにあるスワロフスキーミュージアムに寄ったりまたフルカパスを抜け3人でツェルマットに来た。今回は板を持ってスキー場を滑りにマッターホルンを見ながら滑れる斜面はメローなラインが多くスノーサーフィンパークってイメージ。かなりおすすめのゲレンデ。チケットは2万円近くした様な。この辺りで大会の延期が決まり帰りの飛行機を十日程延ばすことになった。
 





  

スイスを抜けフランスに入った、有名なシャモニーに滑りに行ったり他にもゲレンデを少し、そこからフランスを抜けイタリアに入る。
この辺りのトイレには便座もペーパーもほとんどなかった。トリノ、ミラノ、最後はヴェネツィア、イタリアの高速道路の速度は半端じゃなく、速い車は250kmくらいで走っていた。
景色の変化は本当に面白かった。北に登りケンゾウくんを送り届け僕らはまたオーストリアから最終戦にむけスイスに戻った。気づけばかなり長い距離を走っていた。



  

  
 


初戦と同じ斜面での開催だ、かなりコンディションが変わっている様に感じた。前回とは違うラインを狙う予定でいた。ライダーズレフトのクリフを飛んで、下のオープンバーンに出る着地でスピードが乗り過ぎてバランスを崩してしまった。良い一本を滑ったが得点はつかなかった。
大会を通してもっとこの地の雪になれることが必要だと思った。




最後は最初から行きたかったラークスのスーパーパイプに。バランスの取れた世界基準のパイプ。五連キッカーのサイドは綺麗にバンクになっている。レギュラーもグーフィーも楽しめる。パークはとても充実しててトップのコンペティターが沢山集まっていた。

旅の終わりが近づきチューリッヒに戻った。約8000km走った旅、色んな文化や食事もいろいろだった交通ルールや高速道路の支払いもさまざまとにかく新しいものだらけの最高の旅。

また次の旅に向けての準備を始めよう。